空から子どもたちの声が聞こえた

樽山と子どもたち 雪の中、集落センターから出たら、空の上から子どもの笑い声が。
 「あれ、だれだ」「○○さんだよ」「えー、なにしてるの」。
 除雪で積み上げられた5m以上もある雪のがけの上で、子どもたちが笑っている。

モチを清めに、雪の中を観音様へ

 2月28日(金)、栃窪集落上の護国観音で、浦佐裸押合い祭でまかれるおモチのお清めがありました。

 この祭りは、南魚沼市内の浦佐地区の毘沙門堂で、大勢の男たちが本尊に参拝するために堂内で裸で押し合う奇祭と知られます。その押し合いの際にまかれるモチを栃窪集落から出しています。

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 午前中に作っておいた紅白の丸モチを、13時から地域住民7名が背負い、標高差約200mの山の上までカンジキで向かいました。

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 例年に比べて雪が少なく、例年なら雪に埋もれているはずの塚がまだ見えていました。

例年、この時期にはすっぽり埋もれてしまう塚が見れました

例年、この時期にはすっぽり埋もれてしまう塚

 護国観音像の前でモチを供え、お清めをして無病息災を願いました。

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 下山は、登ってきた斜面を滑り下りてあっという間に集落に到着しました。
 モチは、すぐに浦佐地区にある毘沙門堂へ納められ、3月3日(月)の本祭の押し合いの中でまかれます。

栃窪小学校スキー大会

 今日は栃窪小学校の校内スキー大会が行われました。

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 栃窪小のスキー大会は、集落に上がる途中にあるシャトー塩沢スキー場で行われ、競技には児童12名だけでなく栃窪の若者から年輩者まで多くの地域の人も参加する集落挙げてのイベントです。

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 栃窪はスキー場がすぐ目の前にある地域なので、地元の人は物心つく以前からスキー板を履いて滑っていたよと言うくらいに、スキーに慣れ親しんでおり、集落の中に指導者もとてもたくさんいます。

 競技は「大回転」と「滑降」の2種目が行われ、子ども達は冬の間の週2回のスキー授業で励んできた練習の成果を存分に発揮しました。

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さいの神

1月11日(土)、十二神社でさいの神という行事が行われました。
本来は1月16日頃の行事で、小正月を迎えるにあたって、正月飾りや
しめ縄を燃やし、同時にその年の豊作を祈るものでした。

集落の家々を回り飾りを集めるのは子どもの仕事、そのため
近年は土曜日開催となっています。
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わらで塔をつくり、しめ縄を巻き付け、飾りを組み込みます。
神社と恵方にお祈りしてから点火、火がつくとみなさん持参の
スルメやお餅、ニンニク、ネギを焼きながら暖まります。
ちなみに積雪は1m超で雪の降る中です。
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その昔は、各戸ごとに雪の小山を積み上げて、その頂きに柴を立て、
正月のしめ飾りで囲った「鳥追い堂」をつくりました。子どもたちはその上で
鳥追唄を歌って近所のお堂をめぐったそうです。小正月の神棚飾りは
水木の枝に餅の梅花や稲穂をつけたものにかわり、鳥追い堂に使われたしめ縄は
集められてさいの神で焼かれる、農業信仰の行事だったそうです。
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わらしごと

田んぼの作業が終わり、雪が降り始めると、冬仕事がはりまります。
ととは家で「わら」しごと、かかは家で「はた」しごと。
翌年一年間で使う、わらじ、みの、きもの、すべて冬のうちにつくっておきます。

今日はおじいちゃんにわら仕事(まずはわらじ)を教えてもらいました。
最初に刈り取った藁を木づちでたたいて柔らかくしておきます。
それから全ての基本となる 縄 を綯(な)います。
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数本の藁をふた束、器用に一本の縄にないます。
やらせてもらいましたが、これがまた難しい。
同じ太さで長いものをつくるのは職人技です。
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それから縄を基礎として、藁を編んでわらじの形にしていきます。
糊もテープも使わず、わらをつぎ足して編むことで途切れることなく
わらじになっていきます。Image
最初と最後のし仕組みは企業機密だそうです笑

師匠の隣で格闘すること2時間、大幅な助けを借りて1足のわらじができました。
昔は、わらじはこどもの仕事で1日10足できて一人前と言われたそうです。
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藁は中空なために、断熱効果がありあたたかいのだそうです。
ホッキョクグマの毛皮と同じ原理ですね。

最後の写真は正月飾りです。
いまこれをつくれる人はもうあまり残っていないそうです。
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